福島県北塩原村 五色沼 紅葉の終わりに

福島県会津地方北部の代表とも言えるスポット、「磐梯山(ばんだいさん)」。
磐梯山の北側は「裏磐梯」と呼ばれ、標高800mの高原地帯となっており、夏は避暑地、冬はスキーを筆頭にウインタースポーツで賑わい、通年においてアクティビティに富んだ地域です。
また、裏磐梯には、磐梯山の噴火によって作られた数多の湖沼が存在し、その代表「桧原湖(ひばらこ)」を筆頭に数多くの湖で、ブラックバス、トラウト、ワカサギ、ナマズなどスポーツフィッシングが盛んに行われております。

その数多の湖沼が乱立するこの裏磐梯エリアにおいて、魚が生息していない故にフィッシングとは無縁ではあるが、湖沼独自の美しさから超1級の観光場所として広く知れ渡るスポットが存在します。

その名も「五色沼(ごしきぬま)」。
正式名称は五色沼湖沼群といい、20~30の湖沼を総称してこう呼びます。五色沼の名称の由来は、その数ではなく、湖水の色彩が、季節、水質、天候などにより多段に変化を起こすことによります。

五色沼へ向かう


五色沼
OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

五色沼湖沼群といいつつも、一般には8つの沼が五色沼と呼ばれます。
それぞれ、「毘沙門沼」、「赤沼」、「みどろ沼」、「竜沼」、「弁天沼」、「るり沼」、「青沼」、「柳沼」。この8つの沼は「五色沼自然探勝路」と呼ばれる遊歩道(上記地図における赤線部分)から探索することができます。降雪がない限りはとても歩きやすく整備されておりますので、大掛かりなトレッキング武装などせずに、ゆったりゆっくりと湖沼の美しさを堪能することができます。
駐車場、ビジターセンターを起点に、終点の柳沼まで散策すると約3.7kmもの道のりになります(現地看板の案内標記による)。
私個人として歩いた感覚ではもっと短いと感じ、せいぜい2km程度なのではないかと思うのですが、正確に測量して歩いていたわけではありませんのでその真相を追求することはできません。

一般的に観光として認識する五色沼とは、駐車場からすぐ近くに存在する「毘沙門沼」のことを指すと思われます。遊歩道の玄関とも言える場所に存在しますので、そのインパクトは相当に大きいと言えます。
ただ、五色沼はこれだけではありません。奥に静かに鎮座する他の湖沼にも非常に美しいものが存在するのです。私が自信を持ってオススメできる湖沼、それは「弁天沼」と「るり沼です。
歩くのは億劫かもしれませんが、せっかくここまで来たのですから、少し足を伸ばしてでも前述の2つは是非ともその美しさを目に焼き付けて欲しいものです。


五色沼の代表スポット、毘沙門沼


五色沼駐車場
駐車場から。奥に毘沙門沼の看板が見えます。この日は某年11月中旬。福島県北部においては既に冬に差し掛かっており、紅葉も終わってしまいました。いやあしかし、ハンドルカバー、グリップヒーターまで備え、最大限に防寒対策してきたのに恐ろしいほどに寒かったです…。

そして駐車場からすぐそこに、五色沼の玄関とも言える毘沙門沼がその姿を現します。

紅葉と毘沙門沼
う、美しい…!

深紅の紅葉と澄んだような藍色の湖面。そして奥に添えられる息も絶え絶えでありながら今なお根付き続ける緑の木々
そして写真に写るとおり、五色沼の中で唯一、貸しボートで湖面に浮かぶことができます。

磐梯山と五色沼
そして奥に見えるは磐梯山

道中の磐越自動車道からも見えたその堂々たる姿は見るものを圧倒させ、この地の代表スポットの名に恥じぬ雄大さに感動を覚えたものです。

五色沼人混み

紅葉も終わり間際とはいえ、まだまだ沢山人は訪れます。

五色沼自然探勝路



五色沼自然探勝路


五色沼湖畔

少し奥に進むと、毘沙門沼の湖畔を沿うようにして五色沼自然探勝路が延びていきます。
場所にもよりますが毘沙門沼近辺の遊歩道は道幅が狭く、尚且つ他の場所に比べ観光客が多いので、すれ違い時には譲り合うよう片方ずつ通行することになります。これが紅葉のハイシーズンとなるとどれほどの渋滞を巻き起こすというのか…

五色沼紅葉

終わりかけとは言え、紅葉が美しいです。行楽シーズンとはよく言ったものですが、もう少し人が少なければな…なんて贅沢なことを考えてしまいます。

五色沼アップダウン

序盤は登ったり下ったりを繰り返します。

しばらく湖畔に沿って歩いていると、そのうちに高台へと遊歩道が伸び、鬱蒼とした木々が無くなり、毘沙門沼を展望できる拓けた場所にたどり着きます。

毘沙門沼



五色沼メイン画像

何と美しき事か…

深紅の紅葉、枯葉として果てる寸前の橙色、まだまだ色づく森の、そして毘沙門沼の澄んだ青色の湖面。
それぞれの要素が相乗効果として美しさを増長させます。

毘沙門沼看板

この近辺は毘沙門沼を展望する1級スポットでありますので、人の往来も多いです。

赤沼


五色沼中最大面積を誇る毘沙門沼を後にすると、そのあとは割と小ぶりな沼が続きます。

その中で、次に現れるのは赤沼

赤沼

あかぬま…?どこが赤やねんな…

というようなツッコミが聞こえてきそうです。でも名称に間違いはありません。

赤沼看板

このとおり。

公式の記述を探し当てることはできなかったのですが、この赤沼は酸性の成分が強く含まれていたため、錆色がかっていたそうなのですが、何らかの地殻変動によりアルカリ性の成分が湖水に混じるようになったため、徐々に青色掛かった湖水へと変化したとのことです。

みどろ沼


みどろ沼


続いて赤沼からほど近くにあるみどろ沼
上流側が澄んだ透明色であるのに対して、下流側はまるで青子でも浮いてしまったかのような黄緑色を怪しく湛えます。
展望箇所が少なく、あまり美しい写真が撮れず悔しい思いをしました。

竜沼


竜沼

み・・・え・・・ない・・・。

こちらも赤沼、みどろ沼から割とすぐ近くにある竜沼(たつぬま)なのです…が。
視界一面を藪と樹木に遮られ、カメラに納めることができません。肉眼では少しだけ雰囲気を感じ取れたのですが・・・。
やけくその一枚でした。



このあたりから遊歩道は林間を通るようになり、鬱蒼とした景色になります。
湖畔から離れることになり、その分道幅は広くなり、すれ違いに気を使う必要がなくなりますので、さらにゆったりハイキング気分で先を進みます。

そしてしばらく進むと、木々の間から次なる湖沼が見え隠れします。
そして突然と視界が開け、眼前に壮大なる景色が広がります。

弁天沼



弁天沼

鮮やか・・・そして壮大!

毘沙門沼の次に広い面積を誇る「弁天沼」。

赤沼、みどろ沼、竜沼と小ぶりな沼が続きましたので随分とスケールアップしたかのような感覚に襲われます。
さらに、それらの沼と違ってこのように湖畔まで近づくことができますので、思い思いの構図から眺めることができます。

弁天沼その2

この透明度、そして唯々美しい青の湖面。
冬に向けてその活力を失いつつある葦も、嫌味なく景色に色付けをしてくれます。

弁天沼展望g

沼の南側にはこのような1段高くなっている展望スペースがあります。
この時期は葦が伸びて湖面が見えづらいため、もう少しだけでも高い位置まで登れれば・・・と思いつつここからの展望を堪能します。

吾妻山脈

沼の向こうに連なる吾妻山の山脈が美しい。風が穏やかであればリフレクションも狙えそうです。

るり沼



弁天沼に引き続き、非常にオススメのスポットがこちら「るり沼」。

るり沼

なぜこうもオススメするかと言うと、写真を見ればだいたい察するかもしれませんが、磐梯山を背景に眺望することができるのです。

上高地の大正池もそうですが、池沼そのものの美しさに加え、背後に雄大なる山脈が連なると非常に風景に圧倒感が増加します。

青沼



青沼

るり沼から本当にすぐそこに存在する「青沼」。

名が体を表すように、非常に青く澄んだ美しい沼です。
沼そのものが美しいのは見ての通りなのですが、残念なことに沼以外の眺望が皆無なのです。
毘沙門沼、弁天沼、るり沼のように、沼プラスαの要素があれば、それは非常に美しく風景として映えるのですが、青沼は鬱蒼とした木々に囲まれております。
ただ、それを補って余りある程の美しさが沼そのものにありますので、是非ともご覧いただきたいと思います。

終わりに



梯山、五色沼、吾妻小富士、浄土平。

福島県会津地方の裏磐梯には魅力が凝縮されております。

この記事が皆さまの旅への欲求に繋がれば、これ以上の幸いはございません。


(え、柳沼は?)
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント